大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)2267 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人長野法夫の上告趣意第一点について。

所論は、原審で主張判断を経ない事項についての判例違反の主張であるから、適

法な上告理由とならないばかりでなく、第一審判決が業務と認定したのは、被告人

の判示組合代表者理事としての金銭出納保管の業務であつて、所論のように払下防

風林の売却処分行為を業務と認定したものではない。それ故、所論は判示に副わな

い事実を前提とする判例違反の主張であり、第一審判決及びこれを肯認した原判決

はなんら引用の判例と相反するものではない。

同第二点について。

使途を限定されて寄託された金銭は、受託者において委託の本旨に違つた処分を

したときは横領罪を構成すること、当裁判所の判例とするところであつて(昭和二

五年(れ)一六六一号同二六年五月二五日第二小法廷判決、集五巻六号一一八六頁)、

引用の大審院判例も右と同趣旨と解しえられるので刑訴四〇五条三号の判例に当ら

ない。のみならず、原判決の判断は引用の判例となんら相反するところはなく、所

論は結局事実誤認の主張に帰し採用することができない。

同第三点について。

所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人の上告趣意について。

所論中事実誤認の主張は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。その他の主張は、

原審で主張判断されていない事実を前提とするものであるから、上告適法の理由と

ならない。

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また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三一年七月三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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